外科治療の向上と優秀な 外科医 を育成する
一般社団法人京都大学外科交流センター
11:00~18:00(月〜金)

自分の好きな仕事だからこそ「プロフェッショナルとしての誇りを持つ」

  加茂直子先生

略歴

1996年 大阪医科大学医学部卒業
1996年 京都大学医学部附属病院 研修医
1997年 長浜赤十字病院医員
2001年 大阪赤十字病院医員
2007年 京都大学大学院博士課程修了
2007年 京都大学肝胆膵・移植外科医員
2010年 米国カリフォルニア大学
ロサンゼルス校postdoctoral fellow
2012年 京都大学肝胆膵・移植外科医員
2013年 関西電力病院副部長
2014年 関西電力病院部長
2015年 京都大学肝胆膵・移植外科助教

お名前:加茂直子先生(1996年卒)

所属施設: 京都大学肝胆膵・移植外科

肝胆膵 ・移植外科の魅力

外科手術は、どの領域においても、時には患者さんの命に関わることがありますが、
特に 肝胆膵 ・移植外科の手術は、出血が多く起こりうる領域だと思います。

そのような中でダイナミックな手術を安全かつ確実な治療として行うためには、
的確な診断や、予備能評価、解剖の把握、手術のシミュレーション等、万全を期して手術に臨む必要があります。

また、肝移植を扱う京都大学 肝胆膵 ・移植外科では、手術前からERAS・周術期栄養療法やリハビリ介入にも積極的に取り組んでいます。

しかし、術中に予期せぬ場面に遭遇することや、思いがけない術後合併症が生じることもあります。

手術時間も長く、 肝胆膵 ・移植外科の手術は難しいと思いますが、それだけに考え工夫をこらす余地がたくさんあります。

だからこそ肝胆膵・移植外科は、とてもやりがいのある診療科だと感じています。

肝胆膵 ・移植外科医を目指すために

若い先生方には・・・肝胆膵
特に研修医の先生方は、まだまだ、自分の目指す専門が明確になっていない人も多いと思います。

先ずは医師として、また社会人としてのトレーニングを積んでください。

とにかく、少しでも多くの先生に外科に興味を持ってもらえたら嬉しいと思っています。

しかし、中には 肝胆膵 ・移植外科医を既に見据えて目標としている先生もいます。

そのような先生は、しっかりとした自分の考えや「こうなりたい!」と思える目指すべきロールモデルがいて、ある程度のビジョンを持っている人が多いように思います。

そのような場合は、学会発表をはじめ、論文を書くとか、形に残るような具体的なテーマを与えて取り組んでもらうことが多いと思います。

専門医をとるためにも、そういった取り組みの積み重ねが大事になりますからね。

それから、 肝胆膵 ・移植外科医として、知識・技術的なことや患者さんの状態の変化を見逃さない、などは当然求められることですが、患者さんとのコミュニケーション、特に小さな訴えでもしっかり汲み取ってあげられることは、とても大切なことだと思います。

患者さんの中には、あまり自分の思いを上手く伝えることができない方もいます・・・
そのような場合でも、こちらから聞き出してあげることができるようになってもらえればと思います。

このちょっとしたサインが、重要な症状である場合もあります。

実際に患者さんから「先生が担当でよかった」とか「女性の先生だったから何でも言えて安心した」と言っていただける時があります。

これからもコミュニケーションを大事にしていきたい、と改めて思う瞬間です。全ては信頼関係の上に成り立っているからです。

そして、このコミュニケーションは、医師やコメディカルとの関係においても非常に重要です。

肝胆膵 ・移植外科医を目指すために意識すべき資格の取得には、自分の境遇によるところが大きいことも事実ですが、叶えられる環境にあるならば、人間関係が影響することもあるかもしれません。

先ずは、社会人としての常識を身に着け、その上で外科医として、さらに 肝胆膵 ・移植外科医へと照準を定めてほしいと思います。

私の学術活動の取り組み方

加茂直子先生

時間を取って学術活動を行うのは、かなり難しいです・・・

家事に関しても、仕事との両立は困難で、掃除は休みがまとめて取れた時にすることが多く、食事も週末ぐらいにしかちゃんと作れないことがほとんどです・・・・(笑)

学術活動というプラスαの業務をこなすためには、とても時間が足りないのが正直なところです

しかし、日々の業務に追われる中での隙間時間を利用したり、アルバイト先での時間を有効に活用したり、時には睡眠時間を削ったりして学会の準備や論文執筆を行っています。

学術活動のモチベーションを保つのは大変です・・・

特に市中病院に所属していた時は、日々の業務以外で時間を取ることは難しかったです。

手術の大きさは様々ですが、一日に何件も手術があって、その手術に自分も全部入るとか、それで一日がほとんど終わってしまうとか・・・

そのような状況が毎日のように続く場合があります。

一方、大学病院の場合は、複数のグループがあり、自分のグループが毎日担当するわけではありませんので、多少時間のとり方が違ってくると思います。

しかし、若い先生方にも共通して言えることは、どんなに忙しくても「専門医」等の資格や、身近な目標を意識することで「論文が幾ついるから書こう!」という気持ちになりモチベーションに繋がっていくということです。

向上心を忘れず、より良い結果を目指して自分なりの努力を継続することが大事です。
そして、その成功体験がモチベーションを保つことに大きく影響するのだと思います。

最後に・・・

加茂直子先生

一番大事なのは「自分がその仕事が好きである」ことだと思います。
好きだからこそ、多少大変なことがあっても頑張れますし、目標に向かって努力できますよね。

そして、外科医を志す決意を固めたのであれば、卒後年数にかかわらず、プロフェッショナルとしての誇りを胸に、自分を甘やかさずに頑張ってほしいと思います。

特に、昨今増えつつある女性外科医の方、いくら仕事が好きでも納得がいかないこともあるかもしれません。

そのような時は、どうか強い忍耐で臨機応変に乗り越えていってください。

もちろん、結婚・出産や育児など、物理的に時間が取れなかったり診療に携われなかったりする時があるのは仕方のないことだと思います。

そういう時は、周りの人に助けてもらい、フォローしてもらわないと続けられないので、ぜひ同僚の助けを求めていただければと思います。

そして、その助けに感謝しつつ、また自分も更なるキャリアアップを目指してモチベーションを保ちながら日々邁進していってもらえたらと思います。