第15回京都肝臓外科セミナー

開催日時

平成27年3月7日(土) 15:00~17:30

開催場所

メルパルク京都

参加人数

91名

テーマ

「ちょっと苦労した肝切除~苦労した経験・失敗例より学ぶ~」

CSLベーリングセッション:多施設共同臨床試験の進捗状況報告 

「肝中央切除術における胆汁漏の現状についての多施設共同前向き研究」西神戸医療センター 石井 隆道

ミニレクチャー

                 「CUSAの使い方(第2弾)」西神戸医療センター 長井和之
シンポジウム第一部「解剖変異例・重症併存疾患例への取り組み・経験」
  1. 門脈分岐異常を伴う右肝静脈浸潤肝細胞癌に対する肝切除 :福井赤十字病院 土居幸司
  2. 血小板低値のHCC患者に対して脾摘後に肝切除を施行し、急速な経過をたどった門脈血栓の1例  :都立駒込病院 坂元克考
  3. 血栓塞栓ハイリスク例に対する抗血小板薬術前継続下の腹腔鏡(補助)下肝切除術:術後早期に心肺停止を来した症例からの教訓 :小倉記念病院 川本浩史
シンポジウム第二部「胆道系合併症の経験・術中対処例」
  1. 肝部分切除後の非交通型胆汁漏に対する手術経験 :天理よろづ相談所病院 西野裕人
  2. 肝中央切除後に胆汁漏をきたし治療に難渋した1例 :関西電力病院 相馬俊也
  3. 術後胆汁漏の2例:術後経過から手術手技をふりかえって :西神戸医療センター 石井隆道
  4. 腹腔鏡下前区域切除から始まった肝門部胆管損傷-その修復まで :京都桂病院 西躰隆太
  5. 腹腔鏡下肝切除術におけるグリソン一括法の失敗例 :三菱京都病院 尾池文隆

第15回京都肝臓外科セミナーの報告をいたします。年度末の多忙な時期にもかかわらず、91名の先生方にご出席いただきました。前回に引き続き東京から九州までの範囲から数多くの施設の先生方に参加いただきました。多くの関係者の方々のご協力をいただき盛会のうちに本セミナーを終了することができましたこと、まずはこの場をお借りして御礼申し上げます。

シンポジウムに先立ち、まず西神戸医療センターの石井隆道先生より、「肝中央切除術における胆汁漏の現状についての多施設共同前向き研究」の進捗状況についての報告をいただきました。症例数が100例に達したため症例集積を終了し、現在結果をまとめて英文論文作成中であることが報告されました。多くの施設のご協力に感謝するとともに、今後も引き続きセミナーを通しての臨床研究を検討してまいりたいと思いますので今後ともよろしくお願い申し上げます。

続きまして、前回より始まりましたミニレクチャーを今回も企画いたしました。第2回目は前回に引き続き「CUSAの使い方(第2弾)」といたしまして、西神戸医療センターの長井和之先生に講義していただきました。第1回同様、CUSAの具体的な使い方を中堅医として修練する立場から解説していただき、若手の先生方への知識の整理となったと思います。

続いてシンポジウムですが、今回のテーマは、「ちょっと苦労した肝切除~苦労した経験・失敗例より学ぶ~」で募集いたしましたところ、各施設から興味ある演題を計8題応募いただき、第一部で解剖変異や重症併存疾患例における肝切除をテーマに、第二部では胆道系合併症を中心に発表いただくことといたしました。

第一部では、まず福井赤十字病院の土居幸司先生に右側肝円索症例おける後区域+前区域背側領域切除の適応及びRHV切除後の肝うっ血の術中評価につき議論いただきました。都立駒込病院の坂元克考先生には血小板低値のHCC患者へ脾摘後に門脈血栓を形成し、血栓溶解療法後に腹腔鏡下肝S6切除を行ったものの門脈血栓の増悪にて急激な経過をたどった症例を提示いただき、肝切除術前の脾摘によるPV-IVCシャントを潰したことの是非につき議論いたしました。小倉記念病院の川本浩史先生には血栓塞栓ハイリスク例に対する抗血小板薬術前継続下の腹腔鏡補助下肝切除を供覧いただき、術後急変例の経過を提示しつつ血栓ハイリスク例への周術期管理を中心に議論いただきました。

第二部では、天理よろづ相談所病院の西野裕人先生、関西電力病院の相馬俊也先生、西神戸医療センターの石井隆道先生より、それぞれ肝切除後の難渋胆汁漏例を提示いただきました。各症例での胆汁漏の原因として、中枢グリソン近傍での不適切なソフト凝固の使用やstay sutureに伴う胆汁漏について議論いただきました。京都桂病院の西躰隆太先生には、腹腔鏡下前区域切除中の肝門部胆管損傷後に発症した後区域胆管閉塞・難治性胆汁漏を供覧いただきました。瘻孔化後の瘻孔小腸吻合によるrescueもさることながら、腹腔鏡下での中枢グリソン剥離時の不用意なソフト凝固使用のpitfallにつき活発な討議をいただきました。最後に三菱京都病院の尾池文隆先生からは腹腔鏡下肝切除時の前区域グリソン周囲剥離時の中枢レベルでの術中胆汁漏のビデオ供覧をいただき、手技上の問題点につき議論を深めていただきました。

今回は困難例や失敗例を各施設から提示いただきましたが、普段学会では提示しにくい症例をビデオ供覧を中心に発表していただき、いつものセミナーとはまた違って教訓的に活発な議論を行うことができて大変有意義であったと思っております。発表施設の先生方には改めて感謝申し上げます。さらに今回はこれまでの常連の施設からだけでなく、西神戸医療センターや福井赤十字病院から新たに発表いただきました。ビデオ供覧を中心に肝切除手技の施設間の均てん化を図るという本セミナーの趣旨に沿って、これからもできるだけ幅広い施設からの発表をいただけるよう、テーマの設定や会の運営を工夫していきたいと思います。これからも益々ご指導の程よろしくお願い申し上げます。

さて、次回第16回の開催日は平成27年9 月12日(土)(会場:メルパルク京都)、テーマは「肝門部脈管処理」です。次回は関係施設の先生方からの発表に加え、特別講演として防衛医科大学の山本順司先生にご講演いただく予定です。どうぞご期待下さい。これからも楽しくかつ有益なセミナーにするべくいろいろと企画していきたいと思います。ご出席/ご参加の程、何卒宜しくお願い申し上げます。

文責:小倉記念病院 藤川貴久

共催

CSLベーリング株式会社

後援

京都大学外科交流センター

 

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