京都大学小児外科セミナー

 

開催日時

平成26年1月12日(日) 10:30~14:00

開催場所

京都大学医学部附属病院第2臨床研究棟8階セミナー室

参加人数

17名

幹事

上本伸二

参加者所属施設

大阪赤十字病院、日赤和歌山医療センター、兵庫県立塚口病院、(北野病院)、兵庫県立こども病院、大津赤十字病院、静岡県立こども病院、滋賀県立小児保健センター、京都大学病院・・・()は今回不参加

報告

1) 症例報告

日赤和歌山医療センターより

・血便:生後5ヵ月、黄色弁に赤い筋状の血液が混じる。USにて腸重積は否定。注腸にて結腸全体に隆起性病変あり。リンパ濾胞増殖症と考え経過観察、2ヵ月で改善。

・交通外傷:11歳男児、肝後区域挫傷・右腎梗塞。アンギオにて肝後区域枝をスポンゼルで塞栓。右腎動脈は途絶しており、ステントは入れず。2ヵ月後、右腎萎縮。近年では、腎動脈損傷に対して、両側の場合には血行再建、片側の場合には保存的かステント留置の報告が増えている。

兵庫県立塚口病院より

・腸重積:生後2ヵ月男児、他院で3回高圧浣腸施行。整復できず、観血的に整復。回腸末端の壁肥厚あり。ロタウイルスの予防接種(ロタリックス)投与後、日本国内で10万人に11人の腸重積の報告あり。自然発生より多いわけではないが、注意必要。

・左精巣捻転:13歳男児、突然の左陰嚢痛。USにて血流なし。精巣の腫脹あり。緊急手術で捻転解除、精巣温存。二期的に対側固定。対側固定の必要性は?

・新生児梨状窩嚢胞:胎児MRIにて左頸部に5cm大の囊胞性病変あり。生直後に内容液を穿刺吸引。羊水であった。嚢胞は一旦縮小したが、翌日にはAirが入り、著明に腫大。梨状窩嚢胞と診断。手術にて摘出。甲状腺との癒着は軽度。

静岡県立こども病院より

・腸骨静脈圧迫症候群(May-Thurner症候群):13歳男児、下腹部痛。左総腸骨静脈がIVC流入部手前で途絶し、膀胱背側に静脈瘤形成。右腸骨動脈による圧排と考えられた。右腸骨動脈を切離して静脈背側で再吻合。しかし、症状改善せず。6ヵ月後に再手術。動脈血流は良好であったが、静脈は周囲神経や結合織で圧迫されていたため、これを剥離し、さらに狭窄部を人工血管でパッチ形成した。これにより症状改善。ワーファリン内服中。腹痛の機序は?

・遺伝性膵炎:6歳男児、腹痛・嘔吐・繰り返す膵炎。膵胆管合流異常なし。PRSS1遺伝子やSPINK1遺伝子の異常によるとされている。膵癌の発症が通常の約87倍なので要フォロー。

・肝内嚢胞:日齢2女児、36週2日、子宮破裂による緊急帝王切開にて出生。採血にて肝機能異常あり。造影CTにてまだらに辺縁が造影される嚢胞性病変指摘。カロリ病疑い。日齢19、開腹胆道造影、肝生検施行。胆管走行問題なし、肝生検でも異常認めず。その後、肝酵素改善。分娩外傷であった可能性は?

・saccular cyst:生直後より喘鳴、陥没呼吸。挿管管理。声帯手前に嚢胞あり。日齢24、開窓術施行。その後呼吸状態改善。

大阪赤十字病院より

・急性虫垂炎:14歳女児、虫垂穿孔、糞石は腹腔内に脱落。膿瘍形成あり。Interval appendectomyの適応は?糞石が落ちているのでまず手術?IAの定義は?

・急性陰嚢症:突然の右下腹部痛。発症後5時間で来院。USにて精索のWhirl poolsign あり。緊急手術施行したが、手術時には痛み改善し、術中所見では精巣捻転認めず、精巣上体の鬱血著明であった。精巣上体の捻転が手術待機中に自然解除したか?術後に精巣には低エコー域が出現。術後100日をすぎて患側精巣萎縮出現。半年後対側固定。萎縮精巣切除の必要性は?

・胆道閉鎖症:日齢70女児。胆道閉鎖症疑い。開腹胆道造影、葛西手術予定であったが、院内麻酔科との問題で手術施行できず転院。院内体制をどうすればよいか。

兵庫県立こども病院より

・短腸症候群:4歳、膀胱原発横紋筋肉腫術後。神経因性膀胱あるが、4年間無再発。術後イレウスにて大量腸切除。残存小腸40cm。回盲弁あり。腸吻合後、縫合不全、狭窄あり。現在、胃瘻からの排液が1日2L。狭窄部解除の手術すべき?

滋賀県立小児保健医療センターより

・小腸軸捻転:11歳男児、脳性麻痺。半年前から2回、嘔吐、イレウス症状あり。SMA症候群疑いにて保存的に経過観察、改善。今回は捻転認め大量腸切除となった。小児外科医が常勤しておらず、しかも、寝たきりの患児であった。早期発見にむけての対応は?

京大病院より

・尾状葉肝芽腫:2歳女児、尾状葉の巨大肝芽腫に対して尾状葉切除施行。肝を中肝静脈の右側で切開していき、尾状葉のみを切除。しかし、肝右葉はその後右肝静脈の還流異常により萎縮した。尾状葉、右葉切除にすべきであった?

・全結腸型ヒルシュスプルング病:1歳女児。生後2ヵ月当院初診。腹部膨満、排便困難あったが、口唇口蓋裂を含めた多発奇形を認め、自力排ガス、排便もあった。注腸上、明らかなcaliber changeは認めず、体重増加も得られていたため、ヒルシュスプルング病類縁疾患の可能性も念頭におきながら経過観察していた。今回、腸炎のため入院。上下から減圧はかるも改善せず、腸穿孔をきたした。手術所見にて回腸末端にcaliber changeあり。回腸瘻造設。生検にて全結腸型ヒルシュスプルング病と診断。根治術予定。

 

2)ミニレクチャー

 時間の都合により次回に延期させていただきました。

 

 

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