京都大学小児外科セミナー

開催日時

平成25年10月13日(日) 10:30~14:00

開催場所

京都大学医学部附属病院第2臨床研究棟8階セミナー室

参加人数

14名

幹事

上本伸二

参加者所属施設

大阪赤十字病院、(日赤和歌山医療センター)、兵庫県立塚口病院、北野病院、兵庫県立こども病院、大津赤十字病院、(静岡県立こども病院)、京都大学病院
・・・※( )は今回不参加

報告

(1)症例報告

兵庫県立塚口病院
●A型食道閉鎖症術後吻合部狭窄:
食道裂孔ヘルニア:生後6ヵ月時に他院にて食道閉鎖症根治術施行。生後10ヵ月時、嘔吐著明にて受診。造影検査にて食道吻合部の高度狭窄と食道裂孔ヘルニア、GERを指摘。食道食道再吻合術を施行。その2ヵ月後に腹腔鏡補助下噴門形成術施行。Toupet法を用いた。前医でPPI投与されておらず、胃酸刺激が狭窄を増悪させたと思われた。

●後頭部腫瘍:
1歳、ダンベル型腫瘍を思われたが、感染性皮様膿腫であった。

●食道アカラシア:
13歳、嘔吐で発症。食道の著明な拡張を認めた。Spindle typeⅡ。内視鏡による拡張では改善しないため、食道筋層切開に加え、腹腔鏡下Dor-Nissen噴門形成術を施行した。


大阪赤十字病院
●膿瘍形成性虫垂炎:
13歳、女児。発症8日目で受診。抗生剤投与を開始したが、発熱が持続し、糞石が腹腔内に落下していたため、腹腔鏡下膿瘍ドレナージを施行。糞石回収を試みたが、回収できず。ドレナージのみで症状は改善した。今後は3-6ヵ月あけて腹腔鏡下虫垂切除術を行う予定。


兵庫県立こども病院
●頸部口腔内巨大リンパ管腫:
3歳、男児。生後4ヵ月より10回以上のOK432硬化療法を行ってきた。β-blocker投与も施行。しかし、増大傾向にあり、7ヵ月時に気管切開を行っている。今回、feeding arteryのcoilingを施行した後、顎下部のリンパ管腫切除、硬化療法、一部開窓術を施行した。その後も増大傾向あり。今後の治療方針は?無水エタノールやポリドカノール等、他の硬化療法の適応は?

●胆道閉鎖症:
胎児期に肝門部に嚢胞性病変指摘。出生後、嚢胞は縮小傾向。門脈形成異常あり。ⅠcystかⅢdνか。現在、胆管炎繰り返し、腹水貯留あり。徐々に嚢胞は縮小。

●胆道拡張症術後:
繰り返す腹痛と肝機能異常あり。左右肝管起始部狭窄疑い。再手術の適応は?


京大病院
●神経芽腫2例:
1例は2歳男児。左後腹膜原発、硬膜・縦隔・頸部リンパ節・左腎・多発骨・骨髄転移を認め、StageⅣと診断。化学療法後、腫瘍摘出術施行。断端陰性で全摘出可能であった。もう1例は1歳女児。同様に左後腹膜原発、肝・頸部リンパ節・多発骨・骨髄転移認め、StageⅣと診断。化学療法後に腫瘍摘出を試みたが、大動脈、下大静脈周囲のリンパ節を摘出仕切れず、腫瘍残存となった。近年、神経芽腫の発見時局所限局例に対しては、術前に切除可能かどうかを判断するため、画像より定義される Image-defined risk factor (IDRF) という評価方法が提唱されている。今後は各段階、特に術前にはIDRFの有無を評価すべきである。


(2)ミニレクチャー

「新生児・小児の肛門疾患」
大阪赤十字病院 小児外科部長 松川泰廣先生

肛門周囲膿瘍・痔瘻: 男児に多く、新生児期発症が多い。1歳までにほとんどが治癒する。抗生剤は不要。漢方薬を試すのもよい。硬結がなくなると治癒する。
裂肛・見張りイボ: 便秘の女児に多い。7-8ヵ月ごろより発症。便秘治療と軟膏塗布。
内痔核・外痔核: 3歳以上の男児に多い。便秘を伴う児は6割程度。便秘治療と軟膏塗布を行うが、効果がないことも多い。悪化することもない。
新生児肛門皮膚粘膜異常: 新生児期に見られる12時方向の皮膚の腫脹。1ヵ月以内に自然治癒。
前置肛門様疾患: 後交連から肛門にかけての皮膚欠損(perineal groove)や前置肛門など。多くは経過観察でよいが、前置肛門でも手術が必要な場合がある。
肛門ポリープ: fibroepithelial polyp。自然収縮もあり。

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