京都大学小児外科セミナー

開催日時

平成25年7月28日(日) 10:30~14:00

開催場所

京都大学医学部附属病院第2臨床研究棟8階セミナー室

参加人数

17名

幹事

上本伸二

参加者所属施設

大阪赤十字病院、日赤和歌山医療センター、兵庫県立塚口病院、(北野病院)、兵庫県立こども病院、大津赤十字病院、静岡県立こども病院、京都大学病院
・・・※( )は今回不参加

報告

(1)症例報告

兵庫県立塚口病院
右横隔膜ヘルニア:
生後1ヵ月、胸腔鏡下手術施行。術後bronchospasmにて換気困難となり、緊急ECMO(VV)導入。
肝芽腫:
右葉切除後、胆管胆管吻合部狭窄発症。さらに肝内再発をきたし、再切除、胆管空腸吻合術施行。

兵庫県立こども病院
食道裂孔ヘルニア:
胃の大部分がスライディング。重度の胃食道逆流のためか貧血が進行。腹腔鏡下噴門形成術施行。先天性ではあったが食道短縮は特に問題にならず。術前(または術中)上部内視鏡の適応は?
胎便性腹膜炎:
肺動脈狭窄合併。出生後、穿孔部の?胞性病変の拡張、腹部膨満著明となり、開腹手術施行。腸管剥離を進めると術中出血多量となり、肝皮膜下血腫出現、止血困難な状態となった。その後多発腸管穿孔も発症。1箇所はEDチューブ先端によるものであった。肝不全進行し、オメガベン使用したが、死亡。初回手術の剥離は最小限にとどめ、ストマを造設すべき。

大阪赤十字病院
急性陰嚢症:
突然の右下腹部痛。発症後5時間で来院。USにて精索のWhirl poolsign あり。CK 955 と上昇。緊急手術施行したが、手術時には痛み改善し、術中所見では精巣捻転認めず、精巣上体の鬱血著明であった。精巣の捻転が手術待機中に自然解除したか?術後に精巣には低エコー域が出現。レスキューできた精巣捻転に対して対側の固定は必要か?患側の萎縮を認めた場合に二期的に行う?

京都大学病院
乳児劇症肝不全:
原因不明。乳児劇症肝不全に対する肝移植の成績は悪い。特に原疾患の再燃や拒絶によるグラフトロスが原因となるが、近年は免疫抑制療法の強化で移植後の予後は改善してきている。その中で自然経過は、さらに予後不良。今回は移植のタイミングが問題となった。乳児に対して脳症の判定は困難であるが、脳症の有無にかかわらず、移植適応基準スコアリングに則って移植適応を早急に判定すべき。
気管食道裂疑い:
生後すぐに緊急気管切開施行。声帯は見えていたが、声門下狭窄によるものか、2mmの挿管チューブが挿入不可能であった。声は出ていた。気管切開時に気管後壁に食道との交通を認めた。現在は気管切開、自発呼吸中。栄養はEDチューブから。唾液の誤嚥なく良好に経過。声門下狭窄+H型食道閉鎖か。

(2)ミニレクチャー

「わたしの見てきた胆道閉鎖症」
大阪赤十字病院 小児外科部長 松川泰廣先生

 Roux-en Y脚のanti-reflux valve は粘膜筋弁であり、術後胆管炎の発症を予防すると考える。術前USにて triangular cord sign 陰性所見はBAの否定にはならない。瘢痕無形性型や低形成型の可能性がある。瘢痕切除範囲に関しては、未だ各施設ばらばら。瘢痕切除の範囲を一定にして術後成績(減黄率)を出す必要がある。切除範囲は高さ(縦方向のベクトル)と広さ(横方向のベクトル)で規定される。高さは肝実質が一部ついてくるレベル、広さは右は門脈の前後分岐まで、左はV2、V3の分岐まで、としてみてはどうか。

(3)情報提供 「経口抗生剤長期投与に伴うカルニチン欠乏症について」

京都大学病院 岡本晋弥先生
ピボキシル基を有する抗菌剤の投与により小児において低カルニチン血症を発症し、低血糖・痙攣・脳症等が引き起こされることがある。経口抗生剤の長期投与は避けるべきであり、これらの症状出現には注意が必要。

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