第11回 京都肝臓外科セミナー

開催日時

平成25年2月23日(土) 15:00~17:15

開催場所

メルパルク京都 5F「会議室 A」

テーマ

「肝切除の基本手技に立ち返る」
案内詳細はこちら(PDF)をご覧下さい。

参加人数

101名

報告

第11回京都肝臓外科セミナーの報告をいたします。
2月下旬とはいえまだまだ寒波吹き荒れる底冷えの京都の地で、101名の先生方にご出席いただきました。厳しい季節がらにありながら多くの関係者の方々のご協力をいただき盛会のうちに本セミナーを終了することができました。まずはこの場をお借りして御礼申し上げます。

第10回京都肝臓外科セミナー幹事会での決定を経て、今回より新しい事務局メンバーを中心としてセミナーの準備/運営/進行を行うこととなりました。新しい体制になるのを契機に、再度本セミナーの方向性を事務局で話し合った結果、従来通りビデオ発表により手術手技の工夫やコツを共有できるようにするとともに、今まで以上に中堅外科医、さらには若手外科医が興味を持ち、参加・発言できる会を引き続き目指そうということになりました。そこで今回は初心に立ち返る意味もあり、「肝切除の基本手技に立ち返る」というテーマで各施設からの発表をいただくことといたしました。

まずシンポジウムに先立ち、話題提供として宇治徳洲会病院呼吸器外科部長の板野秀樹先生に「呼吸器外科におけるPGAシートとベリプラストPの至適併用法」と題しまして、2剤の止血用被覆材を併用した呼吸器外科領域における使用法につきご講演いただきました。続きまして、京都大学肝胆膵・移植外科の石井隆道先生より、「肝中央切除術における胆汁漏の現状についての多施設共同前向き研究」の提案をいただき、肝中央切除後の胆汁漏の危険因子の同定や胆汁漏予防への止血用被覆材の寄与の有無を検討していく提案がなされました。少しでもよい研究成果を得てこの会を通して発信していけるよう、多くの施設のご協力をいただけるますことを強く望む次第です。

続いてシンポジウムですが、まず第一部では「各施設での手技の工夫・実際」というサブテーマを設け、3施設からの発表をいただきました。天理よろづ相談所病院、奥村晋也先生(H18卒)には「後期研修修了者の目で見る肝切除の基本手技」と題しまして、RHVに接するHCCに対する後区域+前区域背側領域切除の症例につき演者が執刀されたビデオを供覧いただき、後のdiscussionでは主に背側領域を系統的に切除するためのapproachのしかた(前区域Glisson本幹の露出やanterior fissure veinの利用)につき盛り上がりました。続いて京都桂病院、横山大受先生(H20卒)には「平成2桁卒が行うS3亜区域切除」と題しまして、3人の平成2桁卒の術者によるS3亜区域切除のビデオを提示いただきました。S3グリソン根部に近い腫瘍にどのような術式を適用するのか(亜区域or外側区域or左葉切除)、亜区域の場合のapproachのしかた・工夫につきdiscussantといっしょに論じていただきました。3題目の田附興風会北野病院、飯田拓先生(H9卒)には「Glisson鞘処理の要点~自らのbreak-throughをふまえて」という演題のもと、Glisson一括処理を中心とした手技のポイントを提示いただきました。ここでは会場から財間先生、猪飼先生も交えてのご討論をいただき、前半の一番の盛り上がりどころでした。

第二部は、興味深いデバイスを中心とした発表が集まりましたため、「各種デバイスの使い方と工夫」とのサブテーマにて、4施設からの発表を行っていただきました。1題目の三菱京都病院、木口剛造先生(H17卒)からは「卒後8年目の手術手技の現状と課題~モノポーラ攝子によるPBC techniqueを多用した手技の工夫~」と題しまして、移植外科で頻用されるPBC techniqueを肝門部剥離で多用する手技の実際を供覧いただきました。続いて神戸市立医療センター中央市民病院、八木眞太郎先生(H9卒)からは「当院における肝切除の基本手技:CUSA+VIO systemソフト凝固による肝実質切離を中心に」と題しまして、モノポーラによるソフト凝固デバイスとCUSAの組み合わせによる肝実質切離の実際の手技を中心に供覧いただきました。3題目の都立駒込病院、奥田雄紀浩先生(H15卒)からは「CUSAの原理と肝切除における合理的な使い方」と題し、CUSAの原理とソフト凝固との組み合わせでの腹腔鏡下肝切除を中心とした肝実質切離の手技につき発表いただきました。最後に京都医療センター、成田匡大先生(H11卒)には「当科における肝切離-超音波吸引破砕装置とバイポーラを中心に」と題しまして、超音波吸引破砕装置とバイポーラの組み合わせによる京大式のオーソドックスな肝実質切離の手技のポイント(術者と助手の連携の大切さ、点ではなく線・面・三角形を作る等)をビデオを通して供覧いただきました。特に後半の3題では、CUSAの原理と使い方の原則に始まり、イリゲーション付バイポーラとVIO systemやDissecting Sealerなどに代表される低温凝固を利用したモノポーラの比較、それぞれの利点や欠点をあらためて会場を交えて議論することができ、特に多く参加してもらった若手の先生方には有意義な会になったと思います。

各施設ともテーマに沿って高いQualityの手技をきれいなビデオで供覧いただきました。今回は新事務局のkick offの会ということで不慣れな点も多々ありご迷惑をおかけした点も多いと反省しつつ、最初のご祝儀もあってかこれまで同様に多くの先生方に集まっていただき温かく会の進行をサポートしていただいたと感じました。懇親会では、若手や中堅の先生方から魅力あるプログラムであり次回も是非参加したいとの思いを伝えてもらい、感無量の思いでした。次回もますます各世代の先生方に興味を持ってもらえるプログラム作りをしていきたいと思います。同門の先生方には、さらなるご支援とご協力を引き続きよろしくお願い申し上げます。

(文責:小倉記念病院 藤川貴久)

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共催

CSLベーリング株式会社

後援

京都大学外科交流センター

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